「信心の基本は、お願いよりも感謝の祈りにある」という言葉があります。
この教えは、古今東西あらゆる信仰の根本的な信条です。
また、人としてのあり方も、感謝を常とする生き方が幸せな暮らしの土台にあります。
天草遍路は「感謝」の遍路です。八十八ヶ所が8つの組に分かれていて、それぞれの組には「感謝の題目」があります。
天草八十八ヶ所霊場を巡りながら、深い感謝の心を養う修行をいたします。
1組 「暮しに感謝」

当り前の日常の暮しで 水、電気、ガスが不自由なく使えることに感謝です。一旦災害が起きると断水になりコップ1杯の水が有難いです。当たり前の暮らしへの感謝が幸せの土台です。
2組 「人様に感謝」

毎日の快適な生活は、多くの人の働きのお陰です。一膳の食事にも多く人々の労苦があります。もし人様の働きがなければ、すべて自給自足となります。全ては人様のお陰、感謝です。
3組 「天地に感謝」

お日様とお月様の働きで季節は巡ります。海の潮汐はゆりかごのように生物を育んでいます。
天地の間に暮らす生き物たちは晴れの日も雨の日も天然自然の大きな恵みの中に生きています。
4組 「生類に感謝」

食なくして命なし。私たちは生き物の命を食し、血肉として生きています。
人は動植物の命からしか食を得られず、加工食品も元は命。食する時は手を合わせ、生類に感謝。
5組 「命に感謝」

目が見える、耳が聞こえる、味わえる、呼吸する、心臓が動く。精妙な人体は奇跡の小宇宙。 両親の遺伝子から生まれた尊き命は授かり物。息絶えるまで生きられることに感謝です。
6組 「恩人に感謝」

無知で無力な子供が立派に自立するまで、多くの人の教えと導きがありました。
特に人生の岐路で良き導きをくれた恩人のお陰で今の自分があります。恩人の真心に感謝です。
7組 「親に感謝」

8組 「人生に感謝」

人生は主人公の壮大な物語。舞台は変わり、出会いと別れを繰り返す一期一会のドラマ。神仏は人生に四季を与え導き、人は喜怒哀楽を経て生涯成長する。人として生きることに感謝。